AIの幻覚症状とは?—SF小説に通じる現代AI社会の危うさ

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単行本:「生成AIは電気羊の夢を見るか?」
著者:増田 悦佐
発売日:2023/9/25

【おススメ読書感想文】

このタイトルに一瞬で食いついてしまいました!

本書のタイトルは、広く知られ管理人の私が最も愛するカルトムービー映画『ブレードランナー』の原作(1977年)として知られるフィリップK.ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 」を引き合いにしています。
ディックの描く世界では、AIが社会に与える影響が大きく、その広がりによる社会不安もクローズアップされます。

現在、ChatGPTとその人間のような対話能力に触れ、多くの人々がその現実味に驚かされています。

小説作品自体はかなり前に書かれたものの、ChatGPTとの出会いによって新たな意味を帯びるようになりました。

本書では、そんな多くの影響を与えたSF小説のタイトルをかりながら、生成AI社会に警鐘を鳴らしています。(私としては、一発で引き込まれたので見事だなと思いました!)

特に、YMYL(Your Money or Your Life)という観点からAIの危うさを批判的に見ており、生成AIによって広がる虚偽の情報や幻覚が生み出す社会的不安が危惧されています。本書は「考える機会の歴史」と「国家間の競争」という現在の状況をわかりやすく解説し、AIによってこの世界がどう変わるのかを世紀末的な表現で描いています。

一方で、AIのポジティブな面も見逃せません。本書では、いくつかのYouTubeビデオをノリノリで紹介してます。古いミュージカル映画や現代音楽のミュージックビデオを見事に合わせて再編集したマッシュアップビデオです。(これがまた、素晴らしい!)


技術の進歩が、そのような人間味あふれる面白さを提供しているヴァーチャル世界の新発見をもたらしているのです。AI社会にイラつきつつ、本書の著者は、そんな二面性を持つAIの現実も面白く紹介していて、小説のように面白く読ませていただきます。

現在、ChatGPTは2024年4月から無料版でもログインなしで使用できるようになりました。このアクセスの容易さが、更なる技術普及を促し、私たちの生活にどのような変化をもたらすか、その一端を本書は教えてくれるかもしれません。

本書は、こちらのリンクからお買い物いただけます。

ロボット羊のイメージを想像するAIロボット

生成AIで作成したイメージです/本書内容とは無関係です